お勧め漫画: トレース 科捜研法医研究員の追想の感想

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このページの最終更新日: 2019/05/01


バイオ系で DNA を扱っている人、石原さとみのドラマ「アンリアル」が好きな人は絶対読むべし。

作者の古賀慶は、実際に科学捜査研究所の研究員として働いていたらしい。ラボの風景が非常にリアルで、8 連ピペットやキムワイプが描かれているのもマニア向け。


主人公

真野 礼二 (まの れいじ)

一家殺害事件の生き残り。事件当時は源礼二といい、真野家に養子に入ってこの名前になる。好物はあんみつ。主観や憶測が嫌いで、科学捜査による証拠のみが真実という信念をもっている。胸ポケットにスコルピオン・マンを入れている。

兄の義一が犯人とされているが、兄を虐めていた子供達が真実を知っていると考えて科捜研に就職し、真実を追い求めている。義一が虐められるのを止められなかった教師が協力しており、現在までの容疑者は 3 人に絞られている。


名言

  • 僕の主観に意味は無い 鑑定結果は真実の欠片のひとつ 欠片を集めれば自ずと真実の形に近付く
  • わからないってことは立派な鑑定結果だ 主観や憶測で無理やりラベルを貼れば 真実は見えにくくなる

ヒロイン

沢口 ノンナ (さわぐち のんな)

正義のヒーロー、スコルピオン・マンに憧れて警視庁に入った。

新宿警察署で働いている姉のカンナと 2 人暮らし。



サブ

壇 浩輝 (だん ひろき)

礼二の一家殺害事件の犯人かもしれないラスボス的存在。子供の頃、礼二の兄をいじめていた 3 人組の主犯であり、礼二の姉の強姦もこの男が計画した。父が当時の警視総監で、事件を握り潰した可能性がある。

当本人も刑事部長という職にあり、礼二が犯人を追っていることにも気づいている。たまに寄生獣っぽくなる。


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雑感

ショート・タンデム・リピート

3 巻に出てくるショート・タンデム・リピート。DNA 上にある繰り返し配列で、人によって長さが異なるため、DNA 鑑定に利用される。漫画だけの話ではなく、実際に操作に使われている方法である。

15 種類のショート・タンデム・リピートが使われると書かれているが、FBI では公式に 13 種類が設定されている。かつては 1 箇所のリピート配列でのみ判断していたため (MCT118 法)、正確性に問題があった。

ショート・タンデム・リピートは マイクロサテライト とも呼ばれ、このサイトには専門の解説ページがある。「マイクロサテライト」でサイト内検索してみよう!


ミトコンドリアDNA

よく誤解されるが、毛髪そのものから DNA 鑑定はできない。毛髪細胞には核がないため。毛が抜けるとき、根元に皮膚の一部がくっついてくることが多い。これを 毛根鞘 といい、DNA 鑑定はこれに対して行う。自然脱落毛には毛根鞘はついていないことも多いらしい。

ただし、毛髪細胞にも ミトコンドリア DNA はあるため、これを用いた DNA 鑑定は可能。ショート・タンデム・リピートは核 DNA に存在するが、ミトコンドリア DNA にはないため、別の鑑定法を用いる必要がある。

興味のある人は、ミトコンドリア DNA も要チェック。ルミノール、過酸化水素などの解説ページもあります。

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