私の好きな貴志祐介作品ランキング
貴志悠介
最初に読んだ貴志祐介作品は、「クリムゾンの迷宮 (Amazon link)」。
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第一位: 新世界より
コミック版のレビュー もある。個人的にはハダカデバネズミが出てきたのがヒットだった。序盤、物語が大きく展開する前の、子供がコントロールされているじわじわした怖さも良い。主人公・早季の語り口はあまり魅力的でないが、これも計算なのかもしれない。
第二位: クリムゾンの迷宮
テンポが良く、グールに追われる場面もスリルがある。怖すぎないゲーム感覚のホラー?という感じ。
子供の頃に好きだったゲームブックの雰囲気が出てくるのが最高。「地下数千メートルの洞窟に、かくも巨大な迷宮が存在していたことに、あなたは驚く」とか、これだけで既にハイブラウ。エンディングは、ゲームブックっぽくもある少し唐突なものだが、これはこれでアリだと思う。
再読を機会に、好きだったゲームブックについても書いておく。貴志祐介とは直接関係ないので、あとで別のページに移すかも。
「君はエスパー」: 難しくてクリアできなかった気がする。4 つある世界に行って順番に攻略するのだが、その順番によってはクリアできないとかだったはず。最後は夢オチというか、「大聖堂」の中でエスパーになるためのバーチャルな訓練をしていたということになっている。「君は、扉に向かって歩き始めるか」の締めがかっこよかった。実はこれはゲームブックのシリーズで、実際にエスパーとして活躍する続編があるようだ。
「縄文伝説」: 縄文時代の青年・タオになって、大賢者を探す。確か 1 年とかのタイムリミットがあって、時間が経過するとマスを塗りつぶしていくシステムが新鮮だった。野生の植物とかキノコとかのイラストがしっかり描かれていて、守護神は狼が好きだった。
「死のワナの地下迷宮」: ダンジョンもの。60 冊以上に及ぶ「ファイティング・ファンタジー」というシリーズの第 6 弾。ブラッディビーストが印象深い。なんと、2009 年にラノベ風イラストとともに「デストラップ・ダンジョン」というタイトルで発売されていたらしい。
「T & T ソロ・アドベンチャーシリーズ」: 傭兵剣士、カザンの闘技場、ゲームマンの挑戦は覚えている。テーブルトーク RPG はやったことがないが、このソロ・アドベンチャーシリーズが一番はまったゲームブックだったように記憶している。
第三位: 天使の囀り
死についてちょっと変わった認識をもった高梨が、アマゾンから書いたメールで始まる。土壌が実は貧弱という話は、日本が行った移民政策をもとにしたお気に入りの小説の一つ、ワイルド・ソウルを思い出させる。また、線虫の存在が明らかになったあとの「憑き物筋」の話は京極堂だ。
蛇を大地の神として崇拝する古代の宗教が、猛禽類の翼をもつ天使に代表される天空系の宗教に駆逐されたという話は、竜の柩 のテーマでもある。
ウアカリ uakari という猿は実在する。Cacajao 属に属する新世界ザルの総称で、写真 (Public domain) は bald uakari Cacajao calvus。ウアカリ線虫は創作のようだ。線虫の dauer larvae の話などは、かなり専門的。
芽殖孤虫というのも、本当に存在する寄生虫である。非常に稀であり、1905 年の最初の報告以来、わずか 18 例が報告されているに過ぎない。その分、治療法などに関する知見も少ないということで、絶対に感染したくない寄生虫だ。
改めて読み返してみると、かなりおぞましい小説。ホラーという意味では良くできているのだろうが、後味は悪い。自分が一番嫌いだったものに関連する自殺が相次ぐ中盤は、まだ何が起きているのかわからず、ミステリー的な要素もある。
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