参加者たちが妙なゲームに巻き込まれ、それをカメラで監視しつつ会話を交わす運営がいる。よくあるパターンの漫画と言える。絵柄はとても綺麗である。

背景が入り組んでいて話が長いので、結局のところ誰が裏切り者なのか混乱してくる。このページは、ネタバレ全開で情報を整理するような感じのページになっている。

原作・山口ミコト、漫画・佐藤友生。2024 年に完結、全 26 巻。あまり後味は良くないが、番外編はハッピーエンドである。

最初の裏切りは三笠。しかしそれは、彼がトモダチゲームに参加したことがあり、それを話した父が殺されてしまったこと、その事件に沢良宜と沢良宜の父が関与していたことによるものだった。

次は、四部の過去現在の悪行が色々と明らかになってくるとともに、沢良宜が姿を消し、その父と共にトモダチゲームの運営側である疑惑が生まれてくる。のちに沢良宜が運営の一員として登場したことで悪人確定かと思われたが、実はさらに裏があった。

トモダチゲームの黒幕は、四部の父・正一とゆとり。

四部正一は、子供の頃の友一が考案した「友断ちゲーム」に参加する。途中で 100 万円を払えなくなり、「友達よりも金を選んだ」ことになってしまって人格が崩壊する。「友達よりも金を選んだ」ことが本当に悪いことなのかを知りたくて、他の人の選択を見るためにトモダチゲームを主催するようになり、のちに心木ゆとりと出会ったときに参加を促した。

過去の細かい経緯は、それぞれの登場人物の項を参照のこと。

主人公

片切 友一 (かたぎり ゆういち)

ときどき物凄い悪人顔になる。最初の頃は、なぜ友一が人心を操るようなことだできるのか、あまりよく説明されていなかったが、物語が進むにつれて明らかになってきた。

友一を引き取って義理の母となった片切友華は、「友達が一番大切。もちろんお金よりも友達が大切」と友一を教育していた。しかし友一は欺波大善という詐欺師に育てられていたため悪の才能が開花しており、トモダチゲームの原型である「友断ちゲーム」を考案。

これは、「入院している友華が元気になるように、友一が良い子を演じて彼女の生きがいとなる。そのかわり、友華の友人は毎月欺波に 100 万円を払う」というものだった。トモダチゲームに参加した 友一の友達 4 人は、全てこの「友断ちゲーム」で家庭を壊された被害者の子供である。被害者たちは、全員が片切友華に依存しているという歪な友情をもっていた。

「3 人殺し」の真相は以下。欺波大善は片切友華に惚れており、ある日暴行に及ぶ。それを目撃した友一は、まず欺波大善を殺害。片切友華は、その後友一に四部正一との子供を妊娠していることを告白。さらに子供、友情、友一に見せていた優しい顔が全てお金のためであったという「悪」の顔を見せてしまう。「自分が大好きだった片切友華」を失いたくなかった友一は、悪いお母さんを「嘘」にするために片切友華と子供を殺害してしまった。

どんでん返しで実は救いのある過去になると思っていたのだが、そうではなかった。ただ、最後のゲームでは沢良宜を信じ、彼女を勝者にするために悪人を演じ切ったことから、本気で過去の罪を悔やんでいるものと思われる。

ヒロイン

沢良宜 志法 (さわらぎ しほ)

クラスの副委員長。警察官の父親に厳しく育てられたからか、曲がったことが大嫌い。

ヒロインと思いきや、最初の方で実はトモダチゲームの運営側であることがわかり、友一たちのチームを離脱。このまま悪人設定でいくのかと思ったが、これにも深い事情があって、のちにチームに戻ってくる。

中学生の頃に誘拐された経験があり、体に大きな傷がある。この誘拐も心木によって計画されたもので、沢良宜の父にトモダチゲームの追求を止めさせるための脅しだった。

ただし、実はこの漫画で一番かわいいと思うのは不動みなみ。クロキとの子供がウソでよかった。明るい未来が待っていることを願う。次点は海童聡音。

サブ

心木 ゆとり (こころぎ ゆとり)

アニメ・マンガが好きで、友一に恋心を抱いているおとなしい少女として登場。やがて「裏切り者」であることが明らかになり、そこからは怖い顔が頻出する。

生い立ちは 23 巻あたりで明らかになる。おおらかでだらしない母親が多額の借金をしてしまい、生真面目な父親は怒り狂って暴力を振るうようになる。母親は蒸発し、ゆとりが暴力の対象に。

父が死亡した後、ゆとりは援助交際を通じてボス (四部の父・正一) と出会い、母親の捜索を依頼。その過程で欺波大善の長男・欺波真次と知り合うことになった。

父の死亡には友一と欺波大善が関係しており、ゆとりは父を取り除いてくれた友一に感謝している。その一方で、ゆとり母の「多額の借金」は、友一の「友断ちゲーム」によるものだったため、ゆとりの友一への感情は愛憎入り混じった複雑なものになっている。

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