おすすめ漫画: 修羅の門のネタバレレビュー
概要
陸奥圓明流 (むつえんめいりゅう) 継承者である陸奥九十九が、ひたすら熱く戦うバトル漫画。コマ割りも非常にシンプル。「...かよ」の語尾が病みつきになる。個人的にはかなり好きな漫画なのだが、人を選ぶと思うので、お勧め度は低めに収まっている。
全 35 巻。第一部と第二部は日本国内で圓明流の戦い。第三部はボクシング。第四部は、ポルトガル語で「何でもあり」を意味するバーリトゥード。
第四部のラスボス、レオン・グラシエーロが九十九との戦いで死んでしまったことに対して、読者から来た手紙が作者にはショックだったようだ。最終巻のあとがきで、辛そうな心情が書かれている。
川原正敏、全 31 巻。外伝に 修羅の刻 (Amazon link) がある。
主人公
陸奥九十九 (むつ つくも)
「千年の歴史を誇る陸奥圓明流の中でも、あやつくらい 武の神に愛された男はおらんじゃろう」と評される。170 cm と、格闘家にしては小柄。持っている「熱さ」で、戦っているうちに相手の力を全て引き出してしまうのが、弱点と言えば弱点。ただし、彼の中には血に飢えた獣が住んでいて、熱くなってくると「修羅」になる。戦い続けているのは、陸奥圓明流の千年の歴史を終わりにするためらしい。
技がかっこいい。無空波に始まり虎砲、表と裏の蛇破山、牙斬、龍破、獅子吼、雹。片山右京の菩薩掌も印象的だった。
一見、戦いばかりの単純な漫画のように見えるのだが、このポイントはけっこう深い。最終巻のあとがきにある通り、九十九は、武術でもスポーツでもない、単なる人殺しの技である圓明流を好きではない。と同時に、彼の中の「修羅」は圓明流を愛しており、結果として「活人拳」に逃げない珍しいタイプの主人公が生まれた。
ヒロイン
龍造寺舞子 (りゅうぞうじ まいこ)
九十九が最初に世話になったのは、神武館という空手道場の館長、龍造寺徹心の孫娘。なぜか九十九が気になってしまい、教科書にあるような典型的なツンデレ仕草を見せる。
サブ
陸奥 雷 (むつ あずま)
オリジナルでは、あまりこれはというサブキャラクターがいなかった。最後は海堂と再戦かと思っていたのだが。ということで、ここでは外伝・修羅の刻 (Amazon link) から陸奥 雷をピックアップしたい。
坂本龍馬などが登場する幕末編の「陸奥」である出海 (いずみ) の弟。船で居眠りしていたことが原因でアメリカに来てしまい、西部開拓時代を戦う。「修羅」要素が強い他の「陸奥」に比べて優しく、仲間にはイタチ = 弱虫野郎 (ドロッイイ) と呼ばれるも、戦いを避けられて満更でもない感じ。技も雹しか使わない。
銃には勝てず、騎兵隊に敗れ去る。だが、彼が命をかけて守ったネズ・パース族の子孫が、本編第三部で出てくるジルコォー・マッイイツォであり、第三部を締める大婆様は風のニルチッイである。ジルコォー・マッイイツォが「雹・・」と呟く場面など、修羅の刻第 4 巻を読んでから本編を読むと、感動もひとしお。作者が、どの時点で「アズマ編」を書こうと思っていたのか、構想が気になるところだ。
続編
2025 年現在、以下の続編と外伝が出版されている。
修羅の刻 |
「陸奥」たちをリストにしておこう。
|
修羅の門 第弐門 |
広告
「あとがき」で当サイトを参考にしたと書いてくれているラノベです。Kindle Unlimited で読めました。ストーリーと文章が良く、面白かったです。
関連リンク
コメント欄
サーバー移転のため、コメント欄は一時閉鎖中です。サイドバーから「管理人への質問」へどうぞ。
