おすすめ漫画: アルスラーン戦記のネタバレレビュー

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このページの最終更新日: 2024/04/22

  1. 概要
  2. 主人公: アルスラーン
  3. ヒロイン: エステル・デ・ラ・ファーノ (エトワール)
  4. サブ: ダリューン

概要

田中芳樹による人気ファンタジーのコミカライズ。原作小説は、なんと 1986 年に第一巻が発売され、31 年の時を経て 2017 年に完結。子供の頃に読んでとても面白かった記憶がある。完結は諦めていたが、2017 年に完結のニュースを見て小説を再読、漫画版も読んでみることにした。

まず、主人公アルスラーンをはじめ魅力的な登場人物が多い。ダリューン、ナルサス、ギーヴ、ファランギース、アルフリード、ジャスワント、クバード。二刀流のキシュワードもよかったのだが、アンドラゴラスがアルスラーンを追い出したときに、王の側についたのが残念だった (理解できる大人の選択ではあるが)。ちょっと三国志や水滸伝の雰囲気もある。敵役の銀仮面ヒルメスも悪くなかったが、物語が進むにつれて小物感が出てきてしまったのが残念。

周辺諸国の事情がうまく書かれているのが面白い。基本的には剣と戦争の物語であるが、霧を発生させたり、地面に潜って攻撃したりという地味な魔術は存在する。

最高に面白い第一部に対して、賛否両論 (「否」が圧倒的に多いと思うが) なのが第二部から結末へのストーリーである。第二部は蛇王ザッハークとの戦いになり、様相ががらっと変わる。また、小説版の最終巻は「誰がどう死んだ」とか作者の頭にあったあらすじが書かれているだけで、キャラクターはさらっと皆殺しである。私はダリューンやナルサスがとても好きだったので、彼らが雑に死んでしまうことに耐えられず、漫画版も一度読むのをやめたほどである。

漫画版はまだストーリーがそこまで進んでいないが、できれば第一部で完結してもらえると、パラレルワールドだと思えて少しは救われる気分になる。ということで、原作の結末も含めてお勧め度は 3.5 と低めに抑えてある。第一部だけなら、文句なしに 5 である。

漫画版は原作・田中芳樹、漫画・荒川弘。2024 年 4 月、20 巻まで読了。

アルスラーン戦記 評価チャート

主人公

アルスラーン

徳に優れ、多くの仲間の力を借りて成長を見せる王太子。王宮の外で育ったため、貴族的に他人を見下す性質がなく、素直で優しい。仲間が凄すぎるので目立たないが、剣の腕も知略も悪くない、理想的な名君である。

奴隷制度が重要なテーマの一つで、アルスラーンは「解放王」と呼ばれるようになる。

序盤のストーリーでは、アルスラーンの敵役ヒルメスは、アルスラーンの従兄にあたる。アルスラーンの父であるアンドラゴラス王の兄・オスロエス五世の子。アンドラゴラス王は、兄を殺害して王位についた疑惑があり、さらにアルスラーンは実はパルス王家の正統の血をひいていない。血筋で考えると、ヒルメスこそが正当な王であるとも言える。

国家に忠誠を誓っている諸侯は、善人であってもこの理由からアルスラーンに敵対することも。ただし、ダリューンやナルサスはアルスラーン自身に忠誠を誓っているので、彼らはこの事実には動かされない。

ただし、ヒルメスは実はアンドラゴラスとオスロエスの父・ゴタルゼス大王の子である。自分の子供であるオスロエスの妻を奪って産ませたらしい。オスロエスとアンドラゴラスは、おかしくなった父を殺して王位を奪った。パルス王家の闇。

アルスラーン戦記 アルスラーン

ヒロイン

エステル・デ・ラ・ファーノ (エトワール)

ルシタニアの騎士見習い、イアルダボート教信者。第一巻での、幼少時のアルスラーンとの関わりは、漫画版で導入されたエピソード。

「異教徒は皆殺し」という過激な信者だったが、アルスラーンたちとの関わりの中で変わっていく。

イアルダボート教は、さすがに明言は避けているが、十字架に横線を足したシンボルといい、偶像崇拝を禁止しているところといい、東方教会 が出てくるところといい、キリスト教を念頭に置いている。

アルスラーン戦記 エステル

サブ

ダリューン

作中でおそらく最強を誇るパルス騎士。黒の甲冑とマント、愛馬のシャブラングも黒毛である。

質実剛健の武人で、「戦士の中の戦士」「猛虎将軍」などという異名で呼ばれることも。弓や知略にも優れ、彼が側にいればアルスラーンはとりえあず安全である。

フェアな戦いを好み、落馬したものに追い討ちをかけない。縛られた相手を殴ったことも (作品中で一度しか) ない。

ダリューンのみのいいコマも多いのだが、やっぱりこの初期メンバーがいい。

アルスラーン戦記 ダリューン
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