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概要
主人公の田村 心は、大量殺人犯とされている父・佐野文吾の子供として、母親・兄弟ともども大変な生活を送ってきた。心の妻・由紀は佐野の事件について個人的に調べており、事件の前に起こっていた不可解な出来事をノートにまとめ、冤罪の可能性までも考えていた。
由紀は出産の際のトラブルで亡くなってしまい、その後、心はなぜか大量殺人が起こる前の 1989 年にタイムスリップする。自分の行動によって過去を変えられることに気づいた心は、由紀のノートを使って事件の真相を明らかにしようとするが・・・
過去と現在を何度か行き来する「ループもの」である。犯人が録音していると思われるテープや、気持ち悪い絵が不気味な雰囲気を醸し出していて、怖さは十分。
眉毛が太すぎることもあり、キャラクターにいまいち感情移入できないのがちょっと残念だった。
主人公
田村 心 (たむら しん)
田村心と佐野文吾が両方入っているスクショを載せておく。悪くはないのだが、どちらももう一つ魅力に欠ける気がしている。
名言
- いつも想像していた... 理想の父親を。収入とか甲斐性とか常識とか... そういうものは関係ない いい父親の条件は一つだけ... それはどんな時も家族と向き合える男 世界で一番 家族と向き合える男だ
ヒロイン
田村 由紀 (たむら ゆき)
木村さつき先生は美人だと思うのだが、6 巻ぐらいからの病的な恐ろしさは大きなマイナス要因。そもそも、加藤みきおを引き取るという時点で、もともと人間的に問題があったとも思われる。
佐野鈴もヒロイン候補であるが、やはり加藤みきおを事実婚状態にあるというのがいただけない。
もとの世界線では少ししか登場しないが、田村由紀をヒロインとして紹介。詳細なノートをまとめたという功績もある。
サブ
加藤みきお (かとう みきお)
新聞配達員の翼に性的虐待を受けたりして、心を病んでいた加藤みきお。同級生の佐野鈴が彼に優しくしたことで彼女に惚れ、殺人狂として開花してしまった。
佐野鈴が父の文吾を大好きだったことから嫉妬し、文吾に罪を着せたということのようだ。
大人になった加藤も 1989 年にタイムスリップしたことで、話がややこしくなる。
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雑感
なぜタイムスリップできるのか
直接的にはほとんど語られないが、コミック 10 巻にヒントがある。
舞台となっている音臼村では、毎年 1 月 7 日にお稲荷さんの祭りが開かれるが、今年は天皇が死んだため中止になっている。最初のタイムスリップはこの日に起こっている。
最初の世界線では、佐野が起こしたとされる事件をきっかけに音臼村は廃村になっている。ダム建設が進み、数ヶ月後に水没する運命にある。これを悲しんだお稲荷さんが、事件の真相を表に出したくて、田村心を過去へ連れて行ったと考えるのが妥当だろう。
最初のタイムスリップ後、最初に心に声をかけるのがキツネの面をした子供であることも象徴的だ。
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