おすすめ漫画: あぶれもん - 麻雀流浪記- のネタバレレビュー
概要
麻雀で天下を取ろうとする男たちの物語。個人的には、ノーマーク爆牌党 (Amazon link) に並ぶ麻雀漫画の傑作。
時代は第二次世界大戦の直後ぐらいなんだろうか。
舞台は横浜の南に位置する小さな街、弘明寺 (ぐみょうじ)。この街にあるフリー雀荘「善元 (ぜんげん)」には、最強の打ち手と言われる主人公の一人、轟 健三が君臨していた。善元と肩を並べると言われるもう一つの雀荘「かり田」では、神童と言われる啓一が著しい成長を見せていた。
ちなみに、弘明寺という街、観音通り商店街は実在する。この漫画の連載開始は 1985 年で、このブログ によると 1985 年当時の街並みが漫画にけっこう正確に描かれているらしい。古川凱章さん・青柳賢治さんという雀士がモデルのようである。
『雀狼たちの肖像』青柳賢治インタビューによると、「かり田」「善元」にもモデルがあり、「とき田」「たかしま」という雀荘があったようだ。
主人公
新堂 啓一 (しんどう けいいち)
もとは街一番の神童と言われた少年だったが、麻雀にのめり込む。負けて悔しいと雑草を食べたりする。苗字が新堂なのは、神童とかけているのか?
「かり田」の吾郎、英介、熊彦に鍛えられ、健三との旅を通じて大きく成長する。
この漫画では、啓一のスクショにもある通り、「ツキ」が実力のようなものとして描かれる。つまり、強い雀士にはツキがあり、逆にツキをコントロールできるのが「強い」雀士である。それは天運でもあり、本質的な技術でもある。
轟 健三 (とどろき けんぞう)
登場の時点で、既に最強のレベルに達している。ときに人情味のある「筋の通った」悪役ぶりを見せることがあるが、これはカモを手放さないための手段に過ぎず、かなり悪どい人物である。雀荘のオヤジの権利書を奪うために嘘泣きまでする。
ツキを超えた天運を持っており、1/3 の確率でアガリ牌を引ける状態なら、20 回連続でアガリ牌を引くことができる。これは (1/3)20、およそ 34 億分の 1 の確率である。
最終戦では、啓一とは引き分けられないというプライドからアガリ牌を見逃し、それが原因での敗北となった。まだ実力は啓一より若干上だったのかもしれないと思わるれやりとりだった。
ただし、最終戦後に身を挺して啓一を守ったのは損得抜きのはず。「俺に勝った奴を殺さすわけにはいかねえ」。ラストの啓一のセリフ「ナンバーワン・・・? オレが? アンタが?」を見ても、啓一との間にはある種の絆があったと言ってよさそうだ。
ヒロイン
鹿戸 京子 (しかど きょうこ)
本作中では「京子」という名前しか出てこないが、鹿児島を仕切る吾郎にそっくりな鹿戸剛史の妹なので、苗字は鹿戸と推察した。
啓一が旅をしているときに知り合う。
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