お勧めコミック: からくりサーカスの感想

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このページの最終更新日: 2024/01/23

うしおととら の次に読んだ藤田和日郎の漫画。最初の印象は、「うしとらに比べて地味」だった。人を笑わせないと死んでしまう「ゾナハ病」はなんだがご都合主義に思えたし、人形もうしとらの妖怪に比べて地味な印象だった。

これは、だんだんと物語に引き込まれていくタイプの作品だと思う。とりあえず、5、6 巻あたりまで読んでみることをお勧めする。操る人形よりも自動人形 (オートマータ) の方がかっこいいので、彼らが出てくるとさらにエキサイティングになる。

さらに、話が進めば進むほど、全ての出来事に理由があったこがわかってくる。実はこの漫画、最近再読してこのレビューを書いているのだが、このものすごい伏線には覚えがあった。過去との因縁の絡ませ方は、進撃の巨人 にちょっと似ているかもしれない。

29 巻あたりからの村のトーナメントの展開はいただけない。黒賀村に行くのは悪くないが、子供のトーナメントはちょっと中だるみ。

藤田和日郎、全 42 巻。同じ作者が連載中双亡亭壊すべし (Amazon link) も必読の作品。


からくりサーカス 評価チャート
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主人公

才賀 勝 (さいが まさる)

才賀財閥の傍流、当主の愛人の子供。小学生。初期はマサルの出現頻度が高いので一応こうしたが、マサル、しろがね、ナルミは誰が主人公とも言い難い漫画だと思う。

運動神経は鈍いが知能が高く、「一度見たものは忘れない」という特技がある。初見で人形を操る場面も。徐々に「天才児」だったことになっていく。登場時はいじめられっ子だったが、ナルミやしろがねとの出会い、サーカスの体験を通して成長していく。

物語の途中で、黒幕の白金/ディーン/才賀貞義/フェイスレスがマサルの脳に記憶を転送しようとしていたことが明らかとなり、バトル漫画的だったさまざまな場面に、遠大な背景があることがわかってくる。

マリオネットでは、マサルが操るジャック・オー・ランタンが好き。空が飛べ、高速振動鎌があり、ベタベタも便利。敵ではアルレッキーノがいい。

名言
  • サーカスはテントを見せるものじゃないんでしょ?
  • ケガは、なおるよ。でも・・・男が、一回泣いちゃったら、その涙はずーっとかわかないんだ。
  • 造ったところまでは神さまのお役目・・・ 何の糸にも操られずに自分で立って・・・ちゃんと生きてちゃんと死ぬのが、ぼく達の役目だ!
  • ダメなんだよ。他の人を踏んづけて、自分だけ幸せになっちゃダメなんだ。
からくりサーカス 才賀勝

ヒロイン

しろがね (エレオノール)

「あるるかん」という人形を操る。人形を操る技術だけを幼い頃から叩き込まれたため、自らのことも人形のように感じている。サーカスで育ってきた。マサルやナルミとの出会いにより、人間らしく変わっていく。

ストーリーが進むにつれて、「しろがね」はゾナハ病から命の水によって復活し、人形と戦う人々を指す言葉であることが明らかになってくる。本名はエレオノール。

体内に「柔らかい石」をもっている。実際は才賀正二とアンジェリーナの子供にあたり、ルシールの孫である。

名言
  • 心して聞きなさい、子供達よ。「自分の命と明日」その重みを・・・ナイフはそのちっぽけな刃にのせているのです。
からくりサーカス しろがね

サブ

加藤鳴海 (かとう なるみ)

中国拳法の達人。人を笑わせないと発作が起こるゾナハ病にかかっていた。序盤でマサル、しろがね (エレオノールのこと) を救うために命を落としたと思われたが、ギイに救われ「しろがね」として復活。操り人形ではなく、肉体を使って戦う。

「真夜中のサーカス」との戦い後には、エレオノールをフランシーヌ人形だと思い込み、攻撃したりする。

からくりサーカス 加藤鳴海

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