お勧め漫画: スーパードクター K の感想

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このページの最終更新日: 2023/06/08

作品紹介と感想

北斗の拳 + ブラックジャック、ときどきジョジョ。医療とバイオレンスの融合という新分野を開拓した漫画だ。

けっこうベタに泣ける話が多い。覚えてるのは、

  • いじめられたのに薬を運んでくれた野良犬の話。なお、この野良犬は 8 巻で再登場し、シリウスと名付けられる。
  • 怪我から回復しなかった競走馬が、子供の治療のために走れるようになる話。
  • 無医村で長く医者をやっていた 68 歳 (だったか?) 無免許医師の話。上京して医学部に入る。
  • ボケ始めて引退を考えていた帝都の外科部長が、学生の元無免許医師に励まされて気力を取り戻す話。
  • 吉垣医科大学・畑中教授の若い頃と、子供の頃の K の話。母親は大事にしなきゃいけない。

あと、この作者はたぶん大学を誤解している。とくに城南大グループ。学長がまるでヤクザの親分みたいに描かれていて、「ワシがもう一期学長を務めれば、関東の主要私大はこの手に落ちるのじゃ!!」とか言う。周辺には、護衛として銃とサングラスの黒服の男がたくさんいる。こんなのが学長室にうろうろしていたら相当ヤバイだろう。

悪人には、話の最後に改心するタイプと悪を貫くタイプがあり、最初の悪さの程度でなんとなく判断がつくようになっている。25 - 30 巻あたりから、ストーリーの魅力がやや低下してくるように思う。終盤はなぜか校医になり、ストーリーも学園物になる。

真船一雄、全 44 巻。

スーパードクターK 評価チャート

主人公

西城カズヤ (通称 K)

Kazuya とローマ字表記される場合が多い。「野獣の肉体に天才の頭脳 – そして神技のメスを持つ男」と称される。

裏の世界で生きているが、同窓会に出たり、帝都大学の外科部長と懇意にしていたりと、それほどアウトサイダーなわけではない。つまり風貌に反してソーシャルスキルは高い。

鍛え上げられた肉体をもち、人を殴る場面は多々あるものの、さすがに医者なので人を殺すような描写はない。どんなに悪人でも「救う」ことを第一に考える。自己犠牲も厭わない。

名言

  • オレは... どんな患者であろうと... 全部救う!
  • オペ室はオレが生まれ育った場所! いわばオレの故郷!! なんでもオレの思うがままだ!
スーパードクターK 西城カズヤ

ヒロイン

七瀬 恵美 (ななせ めぐみ)

一応、K に最も近い女性と思われる。外科医としても優秀で、所属する病院では外科部長を勤めている。

スーパードクターK 七瀬恵美

サブ

高品 龍一 (たかしな りゅういち)

当初は、ややお調子者の、あまり優秀でない新人外科医というキャラだったのだが、K の側で仕事を進めるうちにだんだんと成長していく。K が手術をするときには高品を執刀医に指名したことからも、信頼は厚いとみていいだろう。医者の息子ではなく、やや貧乏な家庭の出身で、大学時代は友人との違いに苦労した経験がある。

勤務していた病院で、手術室長に昇進した直後に院内感染の問題が起こり、責任を取る形で退職、自らのクリニックを開いた。看護師、斎藤も高品についてきて、のちに結婚することになる。

K、高品、朝倉の 3 人は見分けるのが非常に難しい。

スーパードクターK 高品龍一
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雑感

他の漫画との類似性

この項目は、決して批判的な意味合いではない。この漫画が連載されていたのは 1988 - 1996 年。この時代の漫画の多くが北斗の拳の影響を受けているように見える。北斗の拳の連載は 1983 - 1988年である。

K はときにケンシロウに酷似して見えるが、ほかにジョジョの影響を受けたと思われるキャラがいる。


スーパードクターK 真田

どうみても○京院


スーパードクター K の続編

Doctor K

K の妹、KEI が登場し、いろいろ悪事を働くが、意外とあっさり改心する。また、前作で悪役だったはずの TETSU は仲間っぽくなる。

南極にいる未知のウイルスや、腎臓に擬態しつつ体内に寄生し、人を吸血鬼のように変えてしまうヒルなど、対処する疾患は派手になっている。

残念なことに、K はこの続編でがんのために死亡してしまう。最終話は高階らが老人になっている 2018 年。ただし、K の叔父がクローンを作っている。

K2

K のクローンが主人公になるものと思っていたが、ある田舎の村に籠って暮らしていた K の影武者一族の若者が主人公になる。目尻が少しだけ切れ長で、シャープな印象になっている。絵は全般に現代的に、きれいになっている。

先代の K のファンだったので、新しい K に感情移入できるかどうか最初は心配だったが、新しい K は自分が影であることを自覚していて謙虚で、その腕で徐々に認められていく導入になっていたので好感が持てた。

先代の K が、医療の発展を待つために治療をしなかった患者を、新しい K が最新技術を使って治療していく、というのが、一応全体を貫くストーリーになっている。先代 K の残したメスが手がかりとなるが、これは途中から有耶無耶になっている。

また、先代 K のクローンである一也の医学生生活も描かれる。オリジナルで K が校医になったこともあったし、この作者はたぶん学園ものが好きなんだろうな。

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