お勧め漫画: マンガで分かる心療内科の感想
もともとはネットで配信されていた漫画っぽい。後半 10 巻を超えたあたりから勢いが落ちてくる気がする。2018 年 6 月現在、1 - 16 巻と 6 冊の特別編が刊行されている。
原作は精神科医のゆうきゆう、作画はソウ。
主人公
官越あすな (かんごし あすな)
ゆうメンタルクリニックで働く看護師。
家族構成は自称冒険家 (ごくつぶし) の父・大介、人間とは思えない母・ちよ。結婚ネタの長女いやし、次女ひめる、三女のどか、末女のさとり。だんだんと他のキャラが登場してくるけれど、やっぱりあすなが一番可愛くて、ツッコミも冴えてる。
心内 療 (しんない りょう)
ゆうメンタルクリニックで働く心理士。過敏性腸症候群が持病。ツッコミメガネ男。自己紹介でいつも悪い扱いを受ける。
サブ
露出症、窃視症オヤジ
とくに登場回数が多いわけではないが、好きなキャラ。窃視症の人の画像もそのうち追加したい。
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心理学用語
この漫画に出てくる用語がどれぐらい正確な情報か私は判断できないが、 (ギャグ漫画とはいえ) ちゃんとした心療内科が出している本なので、信頼に足るものと考える。
面白かったものをここに列挙しておく。そのうち心理学系のページが充実してくればリンクを張っていけるだろう。
微小妄想 (1 巻) |
心気妄想、罪業妄想、貧困妄想を総称して微小妄想という。自分は小さい存在であるという妄想で、うつ病の症状の一つ。 |
SSRI (1 巻) |
Selective serotonin reuptake inhibitor, 選択的セロトニン再取り込み阻害剤。セロトニンの再取り込みを阻害することでその作用を持続させる。消化管粘膜でのセロトニンは腸蠕動作用を示すが、神経伝達物質としてのセロトニンは抗不安作用を示す。したがって SSRI はうつ病の治療薬として使われる。 |
プロスペクト理論 (2 巻) |
価値が高くなるほど、人間の感じ方はどんどん鈍くなる。2 万円もらえる方が 1 万円より嬉しいが、100 億円と 200 億円だとあまり変わらない。1 億円持っている人は、100 万円持っている人の 100 倍幸せではない。 また、 |
ニコチンの作用 (3 巻) |
脳細胞に作用してドーパミンの分泌を促す。ドーパミンは快感をもたらす。1 日の喫煙本数 x 喫煙年数が 200 以上の場合、禁煙治療が保険適応になる。400 を超えると肺がんのリスクが高まる。 |
ショックへの応答 (4 巻) |
精神科医キューブラ・ロス、哲学者デーケンなどの理論。大病を知らされたときなど、大きなショックに対する応答は、否認、怒り、あきらめと受容、および希望の 4 段階から成る。 |
発達障害 (5 巻) |
精神面の発達に問題があり、日常生活に支障が出ることをいう。代表的なのが 具体的には、いわゆる「空気が読めない」、普段と違う状況に対応できないなど。個性の一つであると考えることが重要。 |
ナルシスト (8 巻) |
この用語はギリシャ神話に由来していて、echo という言葉の語源とも関係するらしい。 エコーはギリシャ神話の少女の名前。ある日エコーはゼウスの浮気を手助けしたので、妻ヘラの怒りを買い、他の人の言葉を繰り返すことしかできなくなるという呪いを受ける。エコーは美少年ナルキッソスを好きになるが、この呪いのため振られてしまい、悲しみで声だけになってしまう。 なぜかナルキッソスもこの出来事によって罰を受け、湖に映る自分の姿に惚れるようになる。やがて湖の自分にキスしようとして落ちて死んでしまう。 自己愛性パーソナリティー障害は、フロイトによってこのエピソードと関連づけられ、Narcissistic Personality Disorder と呼ばれる。日本語では「ナルシスト」と呼ばれているが、本来のスペリングからは「ナルシシスト」という言葉の方が正確であろう (1)。 |
ピグマリオン効果 (14 巻) |
ある人に才能があると信じて接すれば、実際に才能がある人に育つという効果。ゆえに、教師は「楽しさ」を教えられる教師がベスト。 |
関連リンク
- ナルシシストか? ナルシストか? Link: Last access 2019/01/21.
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