おすすめ漫画: サユリ 1 号のレビュー
美人だが性格が歪んでいる主人公、大橋ユキがサークルを引っ掻き回す話。と書いてしまうとよくある漫画に思えるが、主人公が相当ぶっとんでいるので、かなり昔に読んだ漫画だが妙に印象に残っていた。
適当な大学サークルのなんとも言えない雰囲気がよく描けている。舞台は京都の私立大学で、作者が在籍していた同志社やその近くの立命館がモデルになっているらしい。
エンディングはなんか微妙。せっかくなので大橋さんにはハッピーエンドになってほしかった。とはいえ、そうなると多分ちこちゃんが辛い思いをするわけで、どうにもやるせない漫画ではある。
村上かつら、全 5 巻。
主人公
大橋 ユキ (おおはし ゆき)
ポニーテールで、微妙に垢抜けない感じが逆に男ウケするミスキャンパス。
2 年生として、ナオヤやチコが所属する海洋冒険同好会に入部してくるところから物語が始まる。幼なじみで仲良くやっていた二人の間を引き裂こうとするが・・・
転校を繰り返し、いじめられていた過去がある。両親もちょっと残念な性格で、同情すべき部分があるが、反省してハッピーエンドという形ではなく、最後まで悪を貫いたのは立派。名言多数。
名言- ...それ、50 人ぐらいの男の人に言われたわ。どうしてみんな "自分だけは" って思っちゃうのかな。... だからあたし言ってやるの。「◯◯くんと出会って変われる気がする〜」って! たいていおちるよ。... みんな、トクベツ扱いには飢えてるからね。
- あたし「約束」ってプレッシャーになるから、約束自体しないようにはしてるんですけど・・・
- その日その時に何がしたいかなんて、当日になってみなきゃわかんないでしょ?
- なんせあたしは、小学校あがる前には、自分の顔のどの角度がどう見えてどう可愛いか、知り尽くしてたよ。
ヒーロー
上田 直哉 (うえだ なおや)
「モテる」ことを第一の目的として人生を送ってきた、微妙に大学デビューしきれていないサークルの部長。極めて平凡だが、妄想というか煩悩だけが常人よりも少し強い。
幼い頃から「サユリ」という理想の少女を想像で作り上げ、オナペットにしていいた。サークルにサユリとそっくりの顔をした新入生、大橋ユキが入ってきて衝撃を受ける。
ラストシーンでの決断は、なんだかよくわからんかった。
サブ
児玉知子 (こだま ちこ? ともこ?)
愛称は「ちこちゃん」。本名もちこなのか、普通にともこと読むのかよくわからない。
直哉の幼なじみ。女性っぽさの感じられないサバサバした性格だが、大橋ユキに言わせると逆に不自然、「ノーメイクという化粧をしてる」。当時、この解釈はとても新鮮だった覚えがある。
留学でいなくなるというのはちょっと安易だったか。三沢と一夜を過ごしてしまうのもいただけない。
名言- 男のコを好きになる理由って、「かっこいい」が全部じゃないんだよ?
- 大っきくなるにつれて自分のこだわりがはっきりしてくるから、脱落とかじゃなくって、自然とバラけてくもんだと思うんだ。... 「大人になると、人は一番人気を諦めて、いけそうな相手を選ぶ」と主張する大橋ユキに対しての主張。
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関連リンク
- 『サユリ1号』、四畳半神話大系と並んで最高の大学モノ。 Link.
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