お勧めコミック: 脳噛ネウロのレビュー
父が殺人事件の被害者となって落ち込んでいる桂木弥子のもとへ,魔界から魔人ネウロがやってくる。「謎」を解いたときに放出されるエネルギーを主食とするネウロの食欲に導かれ,父の事件を解決した二人は,その後も探偵稼業を続けることになる。
探偵コンビは,事件を追う過程で HAL やシックスという強大な敵と対峙することになる。
事件を通じてネウロ,弥子,吾代,笹塚刑事らが信頼関係を育んでゆく様子も素晴らしいお勧め作品である。
松井優征,集英社。全 23 巻。同じ作者の作品に 暗殺教室 がある。
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主人公
脳噛ネウロ (のうがみねうろ)
「謎」を解いたときに放出されるエネルギーを食べる魔人。魔界の謎を食べ尽くしてしまったため,人間界にやってきた。殺人犯などの頭の中に生じる「謎」が美味であるため,結果的にいろいろな事件を解決することになる。自分が目立たないように,桂木弥子を探偵とて表に出し,助手として活動している。
当初は人間は自分の食料であると考えていたが,次第にその可能性に敬意を払うようになる。
名言- 我が輩を誰だと思っている 魔界の「謎」を解きつくした (くいつくした) 男だぞ。解くのを諦めた「謎」と同じ世界を生きることなど・・・我が輩の脳髄の空腹は許さない。
- そんなものだ。我が輩が超えられまいと思っている能力の壁を・・・人間は意外とたやすく超えてみせる。
- ... だが,貴様は間違った進化をしたと言わざるをえない。たった 1 人で... 生態系を大きく狂わす。それは未来を作れない歪な進化だ。
ヒロイン
桂木弥子 (かつらぎやこ)
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ネウロが探偵として使うことにした女子高生。16 歳,159 cm,43 kg。体に似合わず大食いで,食べ物を見ると我を失う傾向がある。 ネウロの知性は極めて高いが,人間の感情を理解するのは難しい。 名言
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サブ
笹塚衛士 (ささづかえいし)
捜査一課の柱である敏腕刑事。何事にも動じない性格で,いないと室温が 3 度上がるほどクール。パスタにネズミが混入していても動転しないが,熱い一面ももっている。
怪盗 XI 事件 (?) の被害者である。物語の途中でネウロの正体を知るが,人間の敵ではないと判断し,よき味方として活躍することになる。
雑感
ニューロンの申し子
ニューロン neuron とは,情報伝達に特化した細胞のこと。日本語では
下の図 (1) のように,核のある細胞体 cell body,長い軸索 axon および樹状突起 dendrite から構成される。樹状突起は他のニューロンから情報を受け取る役割 (入力) を,軸索は他の細胞に情報を伝える役割 (出力) を果たす。
ヒトの脳には,約 860 億個のニューロンがあると考えられている。「IBM, 100 万個のニューロンに相当するコンピューターチップを開発」という 2014 年の記事 があるように,まだヒトの脳に匹敵するほどの回路を備えたコンピューターは作られていないようである。
強さのデフレ
4-1-2016 追記
何かのまとめサイトで見て,なるほどと思った話。
少年漫画には
ネウロの場合は,魔界と人間界の違いによって
敵の方はネウロに合わせて弱くなってくれるわけではないので,弱体化した分を人間の力を借りて補うことになる。これが感動シーンを作り出しており,実によくできたストーリー設定だと言える。
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References
- By BruceBlaus - Own work, CC BY 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=28761830