お勧めコミック: クニミツの政の感想
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5-10-2017 updated
サイコメトラー Eiji の後半で活躍するソバ屋、クニミツが政治家秘書として活躍する。サイコメトラーの登場人物はほとんど出てこない。2003 年、第 27 回講談社漫画大賞少年部門の受賞作品。
破天荒な主人公に人望がありすぎ、というか全般に都合よく行き過ぎという場面が多いが、前半の泣ける話、後半の社会問題系の話ともに読み応えがあっておもしろい。少年漫画でこれだけ政治を取り扱った独創性に敬意を評して、政治に 10 ポイント。
ただし、後半の農薬問題や薬害問題に対しては、かなり正確性を欠いた描写もみられる。このページの「雑感」にメモしてあるが、いずれ考察してみたい。
朝基まさし (作画)、安童夕馬 (原作)、全 27 巻。
主人公
武藤 国光 (むとう くにみつ)
サイコメトラー Eiji の江川トオルの父、牧原代議士の雑用係だったクニミツが、坂上竜馬の秘書として送られてくるところから物語が始まる。
喧嘩が強く、頭が弱い典型的な不良主人公だが、真っ直ぐな気質と人望で活躍する。後半になって知的にレベルアップするところも見せる。成り行きに応じて、学生、教師、印刷工場でのバイトなどいろいろな職業を経験する。
最終的には秘書をクビになり、政治家を目指して旅に出ることになる。
名言
- 姓は武藤、名は国光。ニッポンを変える男よ!
- 不満があるならテメエでなんとかしろ。それが男ってもんだ。
ヒロイン
佐和 真澄 (さわ ますみ)
この作者は、どうも年上の女性が好きらしい。クニミツと佐和は、かなりエイジと志摩さんの関係にダブる。
クニミツとほぼ同時に街に異動してきた毎朝新聞の記者。トイレで用をたしている最中にクニミツに乱入されるシーンが多い。気が強く、クニミツと口喧嘩をするシーンも多いが、最終的には素直にお互いの好意を認め合う。
サブ
吾妻 光明 & 坂上 明日香 (あずま みつあき & さかがみ あすか)
吾妻 光明 (通称コーメイ) は、クニミツに誘われて坂上陣営に選挙参謀として加わる。祖父もやはり天才と呼ばれた選挙参謀で、高校生ながらその経験と知識を受け継ぎ、多数の実績がある。クニミツと異なり、目的のためにはやや汚い手段を使うことも厭わない。
「我に策ありだ」が口癖。坂上陣営の事実上のリーダー。クニミツの可能性を評価しており、この先も長くコンビを組んでいくような描写がある。
坂上竜馬の娘、坂上明日香は、クニミツを政治の世界に引き込んだ重要人物であり、もう一人のヒロインでもある。基本的に穏やかで大人しいが、下のコマのように語るときは語る。後半やや影が薄くなってしまうが、コーメイと二人で富士山に行くことを約束する場面がある。応援したいカップル。
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コメント欄
雑感
クニミツの政の後半は、農薬やインフルエンザ脳症の問題など、前半とは違った雰囲気の回が多い。とりあえず本編の主張をメモ。どれぐらい妥当性があるのか、時間があるときに調べてみる。
- 風邪で熱が出るのは、体がウイルスを殺そうとしているからで、解熱剤で無理に熱を下げるのは良くないこともある。→ これは部分的に正しいだろう。
- 「インフルエンザ脳症」という病気はない。解熱剤の副作用による急性脳症、ライ症候群である。
- アスピリンはライ症候群の原因。日本でよく使われているジクロフェナクナトリウムなどの解熱剤は、アスピリンよりも強力で、副作用も大きいかもしれない。
この回を徹底的に批判しているブログがあるので、読んでみるといいだろう (1)。とりあえず、取材をしている 患者よ、がんと闘うな (文春文庫) (Amazon) の著者は、かなり急進的な意見をもっている人である。
関連リンク
- クニミツの政 インフルエンザ問題. Link.