映画の感想: ツレがうつになりまして
作品紹介と感想
ふとしたきっかけから、堺雅人と宮﨑あおいの「ツレがうつになりまして (Amazon link)」を観た。
堺雅人演じる夫は、会社でのストレスなどからうつ病を発症する。漫画家である妻の宮崎あおいは、その変化に戸惑いながらも夫を支えることを決意。夫に「会社を辞めなきゃ離婚する」と言って辞表を出させ、自らはイラストの仕事をみつけたり、新しい連載を勝ち取ったりしながら家計をも支える。
うつ病について、Wikipedia で調べる場面がある。うつ病は、基本的にはセロトニンの不足によるという考えが有力である。セロトニンの合成には positive feedback がかかるという説もあり、これが本当なら、うつ病はセロトニン不足 → さらにセロトニン合成不全 → セロトニン不足・・・ というやっかいな病気であることになる。 演技はとてもよかった。とくに夫はあまりにも弱々しく、最初は堺雅人であることがわからなかったぐらい。
一番のメッセージとして受け取ったのは、「うつ病であることは恥ずかしくない」ということ。確かに、いわゆる「体の病気」なら他人に気軽に言えるのに、うつ病の場合はなんだか恥ずかしいことのように思ってしまう風潮がある。気合いで治る、みたいな間違った思い込みとも関係しているのだろう。下の原作とともにもう十分有名であると思うが、多くの人がこれを観てくれることを望む。
ただし、「病気になった原因を考えるより、病気になった意味を考える」というのは賛成できない。原因もしっかり考えるべきである。夫に対して「ツレ」と呼びかけるのもなんか嫌だ。妻にそう呼ばれたいと思うだろうか? 映画上の演出ではなくて単に実際にそう呼んでいただけなのかもしれないので、原作も読んでみようかと思う。イグアナを飼っているのは、演出上も意義のあることだと思えた。
結論としては、テーマは重いし、最後の微妙な CG などエンターテイメントとしては微妙。しかし、うつ病の問題はもっと深く考えられるべきであり、その意味でお勧めの映画である。
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