おすすめ漫画: PLUTO のレビュー
手塚治虫の「アトム」に「地上最大のロボット」というエピソードがある。これを原作に,浦沢直樹が手がけたコミック。全 8 巻。
原作があるだけに,広がった風呂敷が 20 世紀少年 や モンスター よりもうまく畳まれている。ゲジヒトを主人公に据えたのもよかったし,イラク戦争を取り入れたのも成功していると思う。
相変わらずちゃんと読んでいないと理解するのが難しい。次の部分はちょっと難しかったけど,たぶんこういうこと。
- 優秀な電子頭脳は,特定の方向の感情を与えないと起動しないという前提がある。
- アトムは,一度プルートーに破壊された後に,ゲジヒトの憎悪を吹き込まれて復活した。
- でもゲジヒトはいい奴で,その感情は実は憎悪ではなかった。
主人公
ゲジヒト
ドイツの刑事。渋い中年,既婚者。ゲジヒト Gesicht はドイツ語で「表情」という意味らしい。
ゼロニウムという特殊な合金でできており,高い能力を誇る世界最高水準のロボットの一人。プルートウを逮捕しようとしている。人間に対して憎悪を抱くというロボットの禁忌を犯したことから,記憶を操作されている。
ヒロイン
ウラン
アトムの妹,ウランも登場する。人間やロボットの感情を理解する能力があり,プルートウや天馬博士を理解できる数少ないロボットとして描かれる。
サブ
アトム
原作では主人公だが,ここではサブである。世界には 7 人の超高性能ロボットがいて,彼らがプルートウに狙われるが,アトムはその中でも最も人間に近い優秀な電子頭脳をもつ。
一度はプルートウに敗北するが,のちにゲジヒトの記憶チップを埋め込まれて復活。最終的にはプルートウと協力して地球を滅亡から救う。このあたりのストーリー展開はちょっと急すぎた気がする。あとサハドが誰かわかるまで難しかった。
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