お勧めコミック: ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えりのレビュー
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2018/01/20 更新
元自衛官・柳内たくみの同名の小説 ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり 文庫版 文庫 1-10巻セット (Amazon) が原作。Kindle 版はないのかもしれない。
東京に、突然異界 (ドラゴンやエルフが登場する典型的なファンタジー世界) への「門」が開き、自衛隊がそこに入って戦う話。政治家たちには、憲法の無法な解釈をするまえに、この漫画を読んで自衛隊のあり方を学んで欲しいものである。
ストーリーは面白い。昔だったら普通の異世界冒険型ファンタジーになったのだろうが、現在ではいわゆる「オタク文化」が市民権を得ているため、「お前エルフ萌えか?」など、メタ的な視点の描写が多い。ドヤ顔をしているロゥリィの横に「どやぁ」など、このへんの最近の漫画表現には馴染めないものがある。また、数万人虐殺というかなりの残虐行為をしているのに、なんとなく主人公たちのショックが薄いのも気になるところ。
原作: 柳内たくみ、漫画: 竿尾悟
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主人公
伊丹 耀司 (いたみ ようじ)
エルフが好きなオタクの自衛官。
平凡な大学から一般幹部候補生として入隊し、最下位の成績で幹部になる。同様にぎりぎりの成績でレンジャー資格も獲得している、意外と有能な自衛官である。「いいかげんでぐーたら」と称される怠け者だが、仲間思いで正義感に溢れた一面もあり、異世界でドラゴン討伐などの手柄を挙げ、次第に重要人物になっていく。
ヒロイン
レレイ
伊丹の好みはエルフのテュカ、15 歳の魔法使いレレイは守備範囲外のはずだが、疲労のため一緒に寝てしまうなど、実は本命である可能性もあるかも。基本的に無表情で冷徹なセリフを吐くが、伊丹を気にするときに見せる嫉妬がかわいい。炎龍との対決のときはちょっと怖い。
魔術師には博士号と導師号という資格があり、博士を飛ばして導師号の申請をするほど優秀。この本での魔法は、コンピューターのプログラミングに似た立ち上げから、実行のプロセスを踏んでいるように描写されている。日本語に堪能なため、通訳としても活躍する。
サブ
菅原 浩治(すがわら こうじ)
異世界帝国の王子に日本人が虐待されていたことに伊丹らが激怒、帝国との和解を一時見送りにするシーンがある。帝国国王に「そなたの国は民を愛しすぎ、義に過ぎ、信に過ぎるのが弱点。そのうち足下をすくわれるであろう」と警告されるが、それに対して「我が国は、その弱点を国是としております」と答えるのが、同行していたこの菅原。